九州大学大学院薬学研究院生理学分野

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2025-11-20

【セミナー】未来社会デザイン「医療・健康ユニット」セミナー(魏 范研 先生、小川 亜希子 先生、東北大学加齢医学研究所)

令和7年11月20日(木)午前10時より『未来社会デザイン「医療・健康ユニット」』プレシジョン創薬グループ企画の公開セミナーを開催しました。
11月20日(木)10:00~11:00
開催場所:薬学部本館2階 会議室
タイトル:エピトランスクリプトーム病態生理学と創薬
演 者:魏范研先生(東北大学加齢医学研究所・薬学研究科(兼)教授)
要旨:
RNAに付与される多彩な修飾はエピトランスクリプトームと総称され、RNAの安定性や翻訳といった転写後遺伝子発現を調節する新たな分子機構であり、その異常は多様な疾患を引き起こす。本講演では、エネルギー代謝や記憶学習など高次生命機能におけるRNA修飾の役割と老化との関連を概説し、創薬標的としての可能性を議論する。

11月20日(木)11:00~12:00
タイトル:シグナル情報伝達を担うRNA由来の新たな液性因⼦
演 者:小川亜希子先生(東北大学加齢医学研究所・薬学研究科(兼)准教授)
要旨:
RNAは通常その役割を果たした後代謝・分解されて核酸の再利用に関わる。しかし従来の核酸代謝研究においては解析方法の困難さからRNA修飾の視点がなく、修飾を含むRNAが代謝後どのように振る舞い、機能を持つか不明であった。そこで質量分析を用いてヒト検体を解析した結果、修飾RNAが分解後に修飾ヌクレオシドとして血液や眼房水といった細胞外液中に豊富に分泌されていることを見出した。さらに修飾ヌクレオシドの中にはm6A(N6-methyadenosine)のように受容体を活性化してアレルギーなどの免疫応答を惹起する現象を発見し、細胞間情報伝達を担うRNA由来の新たな液性因子であることが明らかになってきた。今後修飾ヌクレオシドが概念的にも定着し、創薬への発展がいよいよ期待される。